ローズバッドの「ミチ」が好調 オトナの女性に上品なアレンジを提案

秋冬にスタートしたローズバッドのウィメンズブランド「ミチ(MICI)」が好調だ。現在は「ローズバッド(ROSE BUD)」店舗とECで展開しており、同社内の売上構成比では10%程度だが、18年秋冬シーズンの売り上げはファーストシーズンの約3倍に伸びた。

20代がターゲットの基幹ブランド「ローズバッド(ROSE BUD)」が25周年を迎えたことで、「『ローズバッド』と共に年齢を重ねた女性たちにも着てもらえるブランドを用意したかった」と岡田未来プレス。上品なスタイリングとアレンジの効いたアイテムのラインアップで30代以上の客層の取り込みに成果を出しつつあり、「いずれはたくさんのお客さまが『ミチ』を目的に来店して下さるよう、存在感を高めていきたい」と話す。

「ミチ」は上質な素材と国内縫製にこだわり、商品単価は同社オリジナル商品平均の約1.8倍。「オシャレをひと通り楽しんだ女性が新鮮味を感じるような、自分らしい装いを楽しめるラインアップで、価格に納得感を生み出せている」(岡田プレス)。18年秋冬は暖冬でもアウター類の売れ行きが堅調で、ハリのあるメルトン素材とAラインシルエット、袖のリブでモードテイストを加味したウールコート(3万9000円)は入荷と同時に品薄状態になった。

好調の立役者が、「ローズバッド」での8年を経て「mici」を立ち上げ、18年春夏から同ブランドに専念する土田みのりデザイナーだ。「入社当初から、『今着たい!』と思えて、かつ他のブランドとは一味違うようなデザインの服が『ローズバッド』にはたくさんあり、わくわくした」と回顧し、自身が年齢を重ねるとともに、欲しいと思う服が自然と変化したことが「ミチ」のスタートにつながったと話す。

また、「『ローズバッド』をデザインする際はトレンド感をストレートに表現していたが、『ミチ』ではそのトレンド要素をどこまでひねって、そぎ落としたデザインの中に凝縮させるかという点にこだわっている」という。「以前も今も、自分自身が『ローズバッド』のファン」だからこそ、“卒業生”の感覚が自分ごととして共感でき、「『ミチ』では自分が心から着たい、欲しいと思うものを突き詰めている」ことがそのまま売上につながっている。

19年春夏の新作は、トレンドのダブルブレストのセットアップ(ジャケット2万3000円、パンツ1万8000円)も、付属の長いベルトをパンツのループに通したり、背中に回して縛ったりすることで、さまざまな着方が楽しめる工夫を施した。アセテートの艶が上品なドレスワンピース(1万8000円)は、アシンメトリーなシルエットが心地よい違和感を生み出す。裏毛を編む機械で仕立てた表面の凹凸感が特徴のTシャツ(9000円)は、裾から伸びるループを肩に掛けることで立体感のあるワンショルダーでも着ることができるなど、上品で大人っぽいアレンジを楽しめるラインアップだ。

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